私たちは近江ちゃんぽんの普及活動を通じて、全国各地で愛される「ご当地ちゃんぽん」に出会いました。連載第8回目では、福岡県戸畑市に根付く「戸畑ちゃんぽん」の世界をお伝えします。
戸畑ちゃんぽんの歴史
ちゃんぽんは、佐賀からさらに東へと進み、福岡県の戸畑に伝わりました。戸畑ちゃんぽんは、約80年前に戸畑が日本一の遠洋漁業の基地だった時代に、食品の保存が難しかったことから、長期間保存が可能な蒸し麺が開発されました。蒸し麺は茹で上がりが早いため、忙しい製鉄マンたちに愛され、現在では区内外に多くのファンがいます。
戸畑ちゃんぽんの特徴
戸畑ちゃんぽんには、細くて色が濃い(黄色)コシのある麺が使用されています。通常使われるゆで麺ではなく、蒸し麺を使用しているため、調理が早いのが特徴です。このため、旧八幡製鐵所戸畑工場で働いていた忙しい労働者に特に好まれました。スープは豚骨ベースで、具材にはキャベツやもやし、豚肉、蒲鉾が一般的に使われ、海鮮を使用しません。
戸畑ちゃんぽんが食べられるお店
戸畑ちゃんぽんは、「チャンポン福龍」さん他、福岡県戸畑市内の食堂やレストランで提供されています。そのスタミナたっぷりの揚げ物トッピングと、ボリューム満点の内容から、地元の人々や観光客にも人気があります。製鉄のまち戸畑で育まれた戸畑ちゃんぽんは、力強い味わいと共に、地域の歴史を感じさせる一品です。
戸畑ちゃんぽんが食べられるお店は、「北九州市戸畑区」のサイトでご確認ください。https://www.city.kitakyushu.lg.jp/tobata/file_0082_00005.html
次回の連載では、さらに異なるご当地ちゃんぽんに焦点を当て、その歴史や地域性について詳しくご紹介します。お楽しみに!