私たちは近江ちゃんぽんの普及活動を通じて、全国各地で愛される「ご当地ちゃんぽん」に出会いました。連載第2回目では、長崎県雲仙市に根付く「小浜ちゃんぽん」の世界をお伝えします。

小浜ちゃんぽんの歴史
小浜ちゃんぽんは、長崎市から橘湾をはさんだ対岸の湯治場である小浜温泉に、海を渡って伝播しました。長崎で誕生したちゃんぽんが小浜に伝わり、地元で取れる芝海老を殻付きのまま使うスタイルが特徴となり、小浜ならではの個性を持つちゃんぽんへと進化しました。
小浜ちゃんぽんの普及には、「ちゃんぽん番長」として知られる林田真明さんの存在が大きな役割を果たしています。林田さんは、長崎県雲仙市の職員でありながら、地元のちゃんぽんに注目し、ちゃんぽんを核にしたまちおこし運動を始めました。その結果、小浜ちゃんぽん愛好会を立ち上げ、NHKの長崎発地域ドラマ「私の父はチャンポンマン」のモデルにもなりました。
林田さんは小浜ちゃんぽんだけでなく、全国各地のご当地ちゃんぽんのバリエーションや文化性に注目し、その普及と啓蒙活動を続けています。全国ご当地ちゃんぽん連絡協議会を組織し、北海道網走市や栃木県高根沢町などの「ちゃんぽんの未開地」に小浜ちゃんぽんのスープを持ち込み、その魅力を伝えています。また、「マツコの知らない世界」や「鶴瓶の家族に乾杯」などの人気テレビ番組にも出演し、広くその魅力を発信しています。
小浜ちゃんぽんの特徴
小浜ちゃんぽんのスープはあっさりとしていてコクがあり、極太のもっちり麺によく絡むのが特徴です。地元橘湾でとれた新鮮な魚介類と野菜が具材として使用され、海老は殻が付いたまま使われているため、バリバリとした歯ごたえと香ばしさが楽しめます。
小浜ちゃんぽんが食べられるお店
小浜ちゃんぽんは、「食楽 大盛」さんや「海花亭」さん他、小浜町内外の10店舗で提供されています。これらの店舗では、小浜独自の新鮮な海産物や野菜を使ったちゃんぽんを楽しむことができます。また、ちゃんぽん専門店だけでなく、寿司屋や居酒屋でも提供されており、握りずしとセットで食べるのが定番となっています。
小浜ちゃんぽんが食べられるお店は、雲仙市役所「雲仙市観光ナビ」でご確認ください。
https://www.city.unzen.nagasaki.jp/kankou/kiji0032735/index.html
次回の連載では、さらに異なるご当地ちゃんぽんに焦点を当て、その歴史や地域性について詳しくご紹介します。お楽しみに!