私たちは近江ちゃんぽんの普及活動を通じて、全国各地で愛される「ご当地ちゃんぽん」に出会いました。連載第3回目では、福岡県久留米市に根付いた「久留米ちゃんぽん」の世界をお伝えします。

久留米ちゃんぽんの歴史
小浜と並び、いち早くちゃんぽんが伝播したいわれているのが、福岡県久留米市です。足袋製造の過程で地下足袋が生まれ、そこから久留米がブリヂストン発祥の地としても知られるゴム産業のまちになっていく時期に、ちゃんぽんは久留米にやってきました。
「四海樓」の陳平順さんの遠縁に当たる翁善耕さんが長崎から久留米へ移り住み、「光華楼」を開店したことが久留米ちゃんぽんのルーツです。労働者のまち・久留米では、ちゃんぽんの高級な魚介がチクワやカマボコなど安価な食材に替わり、安くておいしく腹いっぱい食べられるちゃんぽんへと変化しました。このちゃんぽんから久留米発祥のとんこつラーメンが誕生したという説もあります。
久留米ちゃんぽんの特徴
久留米ちゃんぽんの特徴は、魚介類の代わりにチクワやカマボコなど安価な具材を使用している点です。労働者のまちという背景から、安価でボリューム満点の料理へと進化しました。また、ラーメンや筑後うどんの影響で、麺がちゃんぽん麺からうどんに変わる場合もあり、ラーメン店でもちゃんぽんが提供されるケースが見られます。
久留米ちゃんぽんが食べられるお店
久留米ちゃんぽんは、「光華楼」さん他、天草市内の多くの飲食店で提供されています。また、「屋台武ちゃん」など屋台で提供されるちゃんぽんも特徴の一つです。屋台でのちゃんぽんの調理はまるでショーのようで、久留米の夜の風物詩とも言える存在です。ラーメン屋台での提供や、呑みのシメとして楽しむスタイルも、久留米ちゃんぽんのユニークな文化です。
久留米ちゃんぽんが食べられるお店は、「食べログ」のサイトでご確認ください。
https://tabelog.com/matome/1196
次回の連載では、さらに異なるご当地ちゃんぽんに焦点を当て、その歴史や地域性について詳しくご紹介します。お楽しみに!